ツリは、彼の命懸けで撮り続けて来た死体写真集、『THE DEAD』 の刊行に寄せての言葉のなかで、こう述べていた。







「世界は残酷だ。

 それでも世界はやはり美しい。」






僕は、そんなツリに、昨日、Twitterのダイレクトメールで、こう問うた。

ツリの愛する人が、こんな最期を迎えても、「世界は美しい」と、言えるのですか…?と。

















しかし、わたしはツリから、とうとう答えて貰わぬ内に、アンフォローされてしもうた。
理由は、ダイレクトメールによる「私信の濫用」であるようだ。
わたしは昨夜、朝から夜までずっと、酒を飲んでおった。
昨日はわたしの愛兎、みちたの、一回忌であった。
とにかく、ずっと飲んでいた。何も、何も、何もしたくなかった。
何もしたくなかったから、愛する死の同志であるツリに、何度と切実に話し掛けた。
酩酊状態で、何もしたくなかった。
僕のメッセージをスルーし続けるツリに、僕は切実にこう厭味を言った。
『自分のドウデモイイツイートはするのに、わたしの切実なメッセージは読んで戴けないのですね。』
ツリは、いい加減、怒(いか)った。
「一度冷静にご自身の書き込みをかえりみてもらえますか? 
その上で、これ以上分をわきまえないようでしたらブロックするしかありません。
私信を濫用しないでください。
ただそれだけです。
僕はこう見えても忙しいんですよ。」
と優しく言いながらも、心では、想い切り、ムカついていた。
僕はツリと、その後、約一時間ほどかけて少し会話したのち、9人おったフォロワーの、ケロッピー前田氏を含む、8人全員を、アンフォローさせた。
そして、嬉々として、ツリに、言った。
「フォロワーがツリだけになった!」
数秒後、ツリは、僕を無言でアンフォローした。(僕は謝罪の言葉を一言も言っていない。)
僕は、絶望にうちひしがれ、ツリを、罵りたくなった。
寝ても、目が醒めると、ツリに対する悲憤と不満が溢れてきて、とうとう、ツリに電話を掛けた。
留守電やった。
僕は、緊張しながらも、絶望と悲しみとアルコールの残留で朦朧としながらも留守電にこう遺した。
「何故、教えて、戴けなかったのでしょうか...?
 何故、釣崎清隆氏の、撮ったアダルトビデオを、どうしたら、観れるのか?
 という質問に対し、答えて戴けなかったのでしょうか...?
 良ければ、御答えください。ガチャっ。」
そう必死に、蚊の哭くような声で、きれぎれに言って、携帯の受話器を置いた。
ツリから、電話は掛かってこない。
彼は、僕に対して元々、真摯に向き合いたいという気持ちが、あらへんのです。
いいえ、彼は、根源的に、人を、愛せないのです。
だから、「世界は美しい。」と、言って退けるのです。
違いますか?
ほとんどの人は、生きたまま解体された動物の惨殺死体を喰らいながら、笑ってる。
その世界を見ても、「世界は美しい。」と、言えるのは、ツリが人を愛せない人間だからなのです。
愛していないから、別に、人が、誰が、地獄に堕ちようとも、ドン底に突き落とされようとも、
拷問を受けて死のうとも、ええのですと、想っとるのです。
違いますか?
卵を大量生産する為に、雄のひよこは全員、






このように毎日、毎日、大量に生きたままミンチにされている。
それを観ても、ツリは、言うのデス。
「それでいて世界は美しい。」
レンダリングプラントで、瀕死の牛や馬がブルドーザーで運ばれてきて、丸まま巨大撹拌機に投げ込まれ、そのなかで、地獄の底からの悲鳴と絶叫を上げる者がいようとも、









ツリは、言うのデス。
「世界は美しい。」
生きているのに、手脚を切断される人間と動物が、なくならないこの世界を見て、ツリは、それでも言う。
「世界は美しい。」
ははは、そうだよ、ツリ、貴方にとっては、世界は美しいのDEATH 。
人を、動物を、愛せない貴方にとって、世界は本当に、美しいのDEATH 。
耀いているのDEATH 。キラキラ光り続けていて、眩いのDEATH 。
目が眩むほどに。
貴方の愛する娘が、家畜の如くに、レイプされ、生きたまま解体されるか、生きたままミンチにされようとも、世界は光り耀き続け、眩むほど、美しいのDEATH 。
嗚呼、そんな人間が、この世界にどれ程いるだろうか...!
20代で、スプラッターポルノ・SM・レイプ物のAVを監督し、その後、四半世紀も死体写真を撮り続けて来た男が、普通であるはずがないやろう。
普通の感覚で、人間を愛することなんかできないのDEATH 。
狂気も病気も、とうに超えてしまっているんDEATH 。
普通に人間を愛せないのDEATH 。
人間を苦しめることが、人間を地獄に突き落とすことが、ツリの人間に対する愛なんDEATH 。
ははは、僕は、最初の最初から、それに気づいていたんDIE 。
そうでなければ、僕はツリを、愛さなかった。
僕はだから、ツリが、本当に、どうしようもないほどに悲しくて、美しい存在であると、確信した。

僕なんだよ。
俺なんだ。

わたしは、人間を、愛せない。

だれも、愛せない人間DEATH 。

愛する貴方と同じに。








「世界は残酷だ。

 それでも世界はやはり美しい。

私はただひたすら美に殉じたいと願うばかりだ。」

釣崎清隆







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